生産地
山口県美祢市
歴史的経緯と地域性・特色
美祢市秋芳町秋吉地区周辺から産出される大理石は、地質調査技師で画家としても著名な高島北海が明治時代初期に発見したといわれている。美祢産の大理石は、1879年に小野田セメント創設者の笠井順八が採掘し、1881年の内国勧業博覧会に出品されるなど、産業利用が注目されることになる。
大理石の採掘・加工を本格的に始めたのは、20世紀初頭に秋吉地区で長門大理石採掘所を設立した本間俊平である。社会事業家としても名高い本間は、同所で非行少年や元受刑者等を雇い更生に導きながら、配電盤用の需要を開拓し輸出にも繋げるなど事業を軌道に乗せたことから、「秋吉台の聖者」とも呼ばれ大理石産業の基礎を築いた功績が称えられている。また、1936年に完成した国会議事堂に約10種類の美祢産大理石が利用されているのも本間の功績の一つである。
大正時代後半から近代建築が増えると大理石への需要は一層増加し、多くの採掘・加工業者が活動するようになり、大理石産業は山口県の主要な地場産業の一つとなる。その後、大理石を活用した工芸品づくりも盛んになり、近年では、山口県大理石・オニックス組合が3億年の石プロジェクトに取り組むなど新たなクラフト商品開発も進んでいる。
セールスポイント
秋吉台で産出される良質な大理石は、白色やグレーを基調とするが、赤・黄・黒色等もあり多彩。建築材・産業用材として使われるほか、大理石加工品として創作される美しい装身具や置物・雑貨等のクラフト商品も魅力。
指定、認定等
中小企業庁産地概況調査対象産地
生産者組合/主な生産者
- 山口県大理石・オニックス組合
- ㈲安藤石材、㈱秋芳石材、スイズ産業、田口大理石、㈲峰北舎、㈲美東大理石
主な販売店等
関連博物館・展示施設等
大理石加工展示館
住所 | 山口県美祢市秋芳町秋吉3441-1 |
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電話 | 0837-62-0305(美祢市観光振興課総務班) |
営業時間 | 9:00~16:30 |
定休日 | 年中無休 |
料金 | 無料 |
体験 | なし |
URL | http://mine-geo.com/geosite/c05-kanren/index.html |
参考資料
- 山口県「ひとごこち山口 2009春夏号」
- 山口県大理石・オニックス組合ウェブサイト
- 中国地域創造研究センター「地域産業発展史-山口県編-」2021年 など