石州瓦 -せきしゅうがわら-

日本三大瓦の一つで第二位の生産力を誇る 寒冷降雪地帯に適した赤瓦

生産地

島根県江津市・大田市・浜田市

歴史的経緯と地域性・特色

江戸時代初期の1619年、浜田城築城に当たり大阪から瓦職人が招かれ、瓦の製造から施工まで一貫して指導したことが起源とされる。ただし、そのときの瓦は、現在の釉薬瓦(赤瓦)とは異なるいぶし瓦であった。

伯州綿は、明治維新後に最盛期を迎えたものの、その後の関税撤廃により安価な外国産綿の輸入が増加すると、次第に衰退し昭和初期にはほぼ途絶えることとなった。

石州瓦を特徴付ける赤瓦は、石見焼の職人が瓦造りに挑んだことにより1800年頃に誕生した。石見焼と同じく、地元産の良質な陶土を高温で焼成し、これに耐火性の強い来待釉薬を施すことで、硬く丈夫で寒冷降雪地帯に適した石州瓦が生まれた。石州瓦には、古来、高温焼成を可能にする巨大な登り窯が用いられ、現在は、近代的なトンネル窯で焼成されるが、今も昔も瓦産地の中で最も高温で焼成することが品質の優位性の源となっている。

優れた特徴を持つ石州瓦は、江戸時代後期から明治時代にかけて、北前船により日本海沿岸の各地方に運ばれ販路を広げた。積出港となった江津市の波子浦は、戦前まで問屋や仲買人が集まり賑わいをみせた。波子浦をはじめ、石見地方の街並みや集落は今でも赤瓦で彩られ、産地特有の統一感ある美しい景観を形成している。

セールスポイント

光沢のある鮮やかな赤褐色をした釉薬瓦(赤瓦)として知られ、水を通さず寒さに強くて割れにくい。これは、石見焼と同じく、緻密で硬質な耐酸性の陶土(地元の都野津層粘土)と、出雲地方産の来待石から採れる釉薬の賜物。

指定、認定等

地域団体商標(2007 年)、中小企業庁産地概況調査対象産地

生産者組合/主な生産者

  • 石州瓦工業組合
  • ㈲有間窯業所、亀谷窯業㈲、㈱木村窯業所、㈱シバオ、石央セラミックス㈿、㈱丸惣

主な販売店等


  •  

参考資料

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