伯州綿製品 -はくしゅうめん-

鳥取県西部(伯耆地方)弓ヶ浜の伯州綿を復活 させたオーガニックコットン製品

生産地

鳥取県米子市・境港市

歴史的経緯と地域性・特色

鳥取県西部(伯耆地方)弓ヶ浜では、江戸時代中期から鳥取藩の奨励策もあって、水はけの良い砂地に適した綿(伯州綿)の栽培が盛んになった。質の高い伯州綿は、地元で弓浜絣の原料になるとともに、北前船で全国各地に運ばれ、特産品として知名度・評価を高めていった。

伯州綿は、明治維新後に最盛期を迎えたものの、その後の関税撤廃により安価な外国産綿の輸入が増加すると、次第に衰退し昭和初期にはほぼ途絶えることとなった。

以来、伯州綿は細々と栽培されるのみであったが、2008年から境港市が伯州綿の再興事業を開始、2015年には産学官金連携による新商品開発プロジェクト「伯州綿利活用研究会」が発足し介護用衣料が開発されるなど、新たな商品開発が活発化している。また、境港市農業公社では、伯州綿栽培サポーターや地域おこし協力隊とともに、遊休農地を活用して、農薬や化学肥料を使わない人や自然環境に配慮した安心・安全な綿づくりを行っている。

セールスポイント

繊維が太く弾力があり軽くて保温性に優れた伯州綿の栽培は昭和初期にほぼ途絶えたが、産学官民の連携のもと、農薬・化学肥料を使わないオーガニックコットンとして復活し、衣類・雑貨等の様々な製品を生み出している。

指定、認定等

なし

生産者組合/主な生産者

  • (一材)境港市農業公社、㈱きさらぎ、(特非)おりもんや 等

主な販売店等

参考資料

  • 鳥取県「鳥取の伝統工芸品」2019年
  • 境港市農業公社「伯州綿」ウェブサイト
  • 山岸大輔ほか「かつてのブランド綿「伯州綿」復活を支える産学官金の地域力」(科学技術振興機構「産学官連携ジャーナル2017年12月号」所収)
  • 中国電力・中国地方総合研究センター「鳥取県を中心とした産業発展の歴史」2015年など

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